モテの聖地へ行こう3
2019/12/30
モテたい・・・。
そんな欲望に駆られたら、このブログを読んで、
壊れた「非日常のモテの世界」を体験してほしい。世の中には想像を超えるモテの世界があります。おかしなモテから人生を考察していきましょう。
私は人当たりが良いので友達が多いように思うけど、本当は極端に友人が少ないです。その一人がモテる。彼女には自分の世界観があって美意識の塊のような人です。当然お部屋はインテリア雑誌に掲載され、大正ロマンのアンティークの雑貨屋のような美しさ。
文才もあるし、生き方や考え方がとにかく美しい。しかも、娘とウクレレのレッスンに通うが、そこは教室でなくておしゃれなカフェ。娘は小学生にしておしゃれなカフェめぐりが趣味で成績優秀で友達も多い。夫は配色デザイナーで絵画教室や空手教室もしている多彩さ。
洒落てる!めっちゃ洒落てる。彼女の世界観はすでに大学生のころに確立されていました。当時、その耽美な世界観に陶酔し、彼女にのめりこんでしまう女が多数。女が、ですよ。女に惚れてしまうのですよ。皆ノンケですよ。フツーに恋愛対象男な女たちがあまりの愛と美にあふれた世界に我を忘れて恋をしてしまうのです。もちろん友人もノンケですよ。
ものすごい狭い世界ではあるけど、そういうのがあるのです。しかも、みーんなきれいな子ばかり。
そして私も…。これは墓場まで持っていこうと決めていたけど、私も・・・彼女に2~4週間だけ心を奪われたのです。寝ても覚めても彼女を慕い、もういっそう押し倒してしまおうかとも思ったけれど、そんなことをすれば友人関係が終了すると理性でこらえて耐えました。
もうどうしようもなくて、彼氏に「彼女のことが好きなの・・・」と別れ話を切り出しました。すると彼氏は友人として好きといったと勘違いして「えー!あの女のどこがいいんだ!あんなのと友達に俺絶対無理!だって俺ロックンローラーだから!ロックじゃないあんな女、主義が違いすぎて無理!」
私はその瞬間、ハッと我に返り彼女にのめりこみすぎていたことに気が付きました。彼女の世界観が好きでない人たちからすると魅力には感じない。ましてやロクンローラVS大正ロマン耽美なので余計反発してしまう。私は自分を見失っていたことに気が付きました。
後日、健全な友人関係に戻った私は彼女に「千尋さんの彼氏って、騒々しい下品な音楽が好きな人よね。私にはありえない世界の住人だわ」と言われました。やはり二人は分かり合えない世界の住人でした。
私はその当時、自分に特別な才能や世界観はなく、平凡な人間だと思っていました。彼女や彼氏が好きなものがあるのを羨ましく感じていました。私には好きなものもハマるものも何もなかったのです。
でも、彼女は私に「この子凄い!ほかのこと違う!」と思わせたエピソードがあるのです。
二人でお酒を飲んでいたのですが、つまみがほしくてアボカドの皮をむきました。丸いままのアボカドを平たい皿にのせてわさび醤油を付けて、スプーンで食べていたのです。私はずぼらなのでアボカドを切らず食べるのです。
彼女の中の常識ではアボカドは切ります。切らなくても丸いアボカドを平たい皿にのせるとコロコロ転がってこぼれるので深い皿に入れます。なのに、私はコロコロ転がりもせず、器用にアボカドをスプーンですくい取り続け食べ続けたのです。片手のみで食べ続けたのです。
「この非常識さがたまらないのよ!」
20年経ってそう彼女が言いました。続けて、
「こんな無駄なことに集中できる感性、ズレた感覚、この子、大物になるわ、と思ったの。私はそんなことできないから。普通じゃダメなのよ!普通のことを普通にできる人はダメなのよ!貴女はお店まで開いて私の読み通りになったわ」
「いやいや、その貴女の着眼点が変よ。アボカドを切らないって、普通怒られるでしょう?だらしないだけじゃない」
「私は人間をよく見ているのよ。怒られても気にせずアボカドを丸いまま食べ続けるのが貴女よ!そうやって貴女は思うが儘に生き続けてきたのよ」
「そうね。人の話は聞かないわ。参考にはするけど、基本的に聞かないわ。すごい褒めてくれているんだけど、すっごいビミョー。一般的には欠点だからね」
「そうやって自分を抑え込んで自分を偽るから、人とかかわるのを面倒くさいと貴女は言うけれど、貴女が人間を好きになったら世界中の人が貴女を好きになるわ」
こうやって友達をべた褒めするから、彼女は惚れられちゃうんだよ。モテたい人は自分の全身全霊をかけて相手を褒めましょう。