モテの聖地へ行こう6
2020/01/31
新宿2丁目で知り合ったビアンのMさんが悪女に失恋したので、「ちひろ、この後、おごるからさ、付き合ってよ」と連れて来られた店はミックスバー(老若男女だれでも入店OK)で、カウンターのみの小さなところでした。
マスターは細身のイケメンで、彼の従妹がヘルプで手伝いに来ていました。OLしながら夜はキャバ嬢をしていて人気NO1の「モテの聖域」の女の子でした。白いドレスが似合う、整った顔の超可愛いお人形さんみたいな子でした。
あまりの可愛さにキャバクラのお客がストーカー化し、店の外にずっと待機して出待ちしていました。彼女の発言は強烈でした。
「最近私、家要らないんじゃないかと思ってて~。私、かわいいでしょう?マンション片っ端からピンポン鳴らせば誰か泊めてくれるんじゃないかと思って。この新宿中のマンション全部私の家なんじゃないかって思うの」
話相手は男女の二人組のお客です。男の人は楽しそうに話していたけど女の人は大丈夫だろうか!?女同士の会話で自分が可愛いというのはタブーだよね!嫌われちゃうよね!それをぶち破ってこの子は生きてきたのなら凄い根性だよね!今だけ2丁目モードでそういう話をしているのか、ずっとそうなのか、ある時開き直ったのか。なんだかわからないけど超攻めてるよね!
てか、いいの?やられちゃうよ?泊めたらやられちゃうよ?自分大事にしないの?冗談?冗談なの?攻めすぎだよね!冗談攻めすぎだよね?この子、女の嫉妬とかどうやってやり過ごしてきたんだろう。
「ちひろ、触ってみてよ」
Mさんがマスターの股間を指しました。いや、それ色んな意味でセクハラだよね!無理、無理です。
「いいからいいから」
良くない良くない。良く・・・。
「ああああああああああ!」
恐る恐る触った私は、叫びました!ああああああああああ!イケメンなのに!イケメンなのに!
「本名A子ちゃんていう超かわいい名前なんだよ」
とMさんが言いました。女だ!女だ!イケメンなのに女だ!
「で、あの白いドレスのほうが男なんだよ。従姉弟同士で狂っているんだよ」
ええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええ
マジか!だからあの女会話が変なんだ。女は客に向かって話す。
「私~、なんか、喉ぼとけが出ているの。凄いそれがコンプレックスで、たまに男って言われちゃうの。これ、うちの親もそうで遺伝なんだけど、目立つ?」
人気NO1のキャバ嬢で、職場にこんな子いたらいいなと妄想するくらい可愛いOLが、まさかの男か!「モテの聖地」の深淵がここにありました。