電化製品は一気に壊れる、というが体は壊れる前にケアして、的な話③
2025/02/24
しかし、この安らぐ感じはなんなんだ。こういうのをフェチズムというのだろうか?
世界中に洗濯機の底に癒しを感じる人間はどのぐらいの割合いるだろうと思う。 洗濯機の底に妙な安堵感を覚えそしてさらに奥を覗き込む。
どうやら洗濯機のホースというのはかなりの上の方まで縦型の場合は続いているようで、黄ばんだホースを触ってみると今にも崩壊しそうなほど劣化している。
このホースは企業が本気を出せば決して劣化しないホースにできるはずだが、洗濯機イコール消耗品であることを決して鉄壁にして崩そうとしない企業の執念を感じる。
洗濯機のホースを7年で完全劣化するように設計しているということがわかった。
きっとどんな高級な洗濯機でもひっくり返して中を見ればこんな風になっているんだと想像がつく。 洗濯機は最初から壊れるように設計されていることが判明した。
私はそういう洗濯機の設計者の意図、企業の意図を汲み取りながら一つ一つ観察し、そして企業の思惑どおりに新しい洗濯機を買い換える心の準備をさせられていた。
この洗濯機はホース交換をしてもすぐに壊れる。
交換できない奥のホースがすでに劣化が進んでいるので水漏れはやがて繰り返すだろう。
そして私は 純正のホース一本を差し込む。 意外と固くて差し込むのに苦労したがぐりぐりとねじ込みそしてピンで固定する。
その一つ一つの作業が楽しくてもう終わりかと寂しい思いをしながら洗濯機を起こして設置する。 たった一人でこの作業を黙々とやっていた私。
洗濯機は小さかった為案外軽く夫の手を借りることもなく元通りに戻すことができた。 こういうことは普通夫がやってくれるもんじゃないだろうか?
「ドラム式だと壊れた時、重くて一人じゃ直せないじゃないか」
次の洗濯機も妻が修理する前提でいる。
一人暮らしが長い私はいつのまにかこのような日曜大工さえも得意になってしまっていた。
趣味がDIYというのも要因だ。
整体を生業としていると人の体と向き合うことが常で、その体への愛は、どうやら、機械でも変わらないらしい。
心のある人間本体と会話をしているが、いざ施術となると体と会話をしているのかもしれない。
言葉のやり取りではなく
観察、とか、ゆがみ方の癖、とか、そういうのを考えながら一人の世界に浸ってオタクのように施術している。
洗濯機相手でもそれは変わらないのだ。
続く